ハイライトBBS 53508


あるキリハラの物語~過去編~

1:DIGITAL :

2010/07/20 (Tue) 23:47:17

昔の彼はまだ普通だった
僕が困っていたら当然のように手を貸してくれた
たとえば、そうだな
こんなエピソードがある
2:DIGITAL :

2010/07/21 (Wed) 02:12:08

小学2年生のころ、僕はサッカーのクリスマス会で一発芸をすることになった
どんなことをすればいいか彼に尋ねると、彼はこう言った
「歌でも歌えばいいんじゃない?
たとえばこんな歌とかは?」
そういって彼は通学路のど真ん中で歌い始めた
「♪ちーち、ちちおっぱーい
ぼいんぼいん、ぼいんぼいん」
・・・彼はこの歌を道端で大声で歌うなどという恥辱に僕のために耐えてくれたのだ
しかもその後、彼は満足そうに笑っていた
何と格好いい少年だったことか
当時の彼は優しく、頭がよく、運動神経に長け、天然ボケで、天然アフロで、顔が面白いという完璧少年だったのだ
彼は、今になってこのエピソードを話すと決まって知らないふりをする
きっと、今の彼は人を助けたということを自らの汚点と考えているのだろう
それほどまでに彼は変わってしまったのだ

ちなみに僕がクリスマス会であの歌を歌わなかった事は言うまでもない
3:デブタル :

2010/07/21 (Wed) 19:32:38

最高
4:DIGITAL :

2010/07/21 (Wed) 22:41:09

時は進み彼が小学6年のころ
彼はすでに邪道だった
邪道で非道で外道だった
次はその時のエピソードを語るとしよう
5:TOSHIHIRO :

2010/07/22 (Thu) 07:34:32

↑が「飛び散る血しぶき(主に俺の)」だよね!!!!!!
6:DIGITAL :

2010/07/22 (Thu) 13:50:54

あれは展覧会での出来事だ
その年、僕は椅子を作って出品した
当然、木製の上に小学生の手作りなのだから耐久性が高いわけでもない
しかし僕(当時60kg)が乗っても余裕で耐えられるくらいの強度はあった
それが帰ってきたころに、半壊していた
背もたれと手すりが取れ、耐久力の残りが40%といった所だ
僕は当然彼を疑った
そしてかろうじて原型をとどめている椅子を片手に彼のもとへ向かった
彼はその「ギリギリ椅子」を見て一言
「何だそれ(笑)」
・・・どうやら彼は、犯人ではないようだ。その後、彼は言った
「ちょっと貸して」
彼は僕の手から椅子をひったくった。そして・・・
バキッ!べキョッ!!グシャッ!!!
僕はただ呆然と何とか椅子だったものが、ただの木片と化していくのを眺めていた・・・

何の偶然か、彼があの歌を歌った通学路の場所とほとんど同じ場所での出来事だったと記憶している
7:DIGITAL :

2010/07/22 (Thu) 13:51:34

残念、飛び散ったのは木片でしたww
8:DIGITAL :

2010/07/25 (Sun) 16:57:28

さて、もう待ちくたびれてきたころだろう
そろそろ、語るには頃合いだ
これを呼んでいるみんなも彼がどんな人間かわかったと思う

そして語ろう
ボリ研究の第一人者と呼ばれる僕にも確証はない
いまだ推測の域を出ない
フィクションの可能性もぬぐいきれない
しかし、これが最も有力といわれる
彼が邪道に堕ちた理由を・・・
9:デブタル :

2010/07/26 (Mon) 00:12:21

早く書け~
10:DIGITAL :

2010/07/26 (Mon) 09:10:46

あのときのことはあまり覚えていない
それが、小学5年のときか6年のときかはたまた中学生になってからか・・・
そして、それがどこで起こったのかも覚えていない
しかし時間も空間も関係ない
大切なのは出来事だ
ある日どこかで起きた
悪夢とも言うべき出来事・・・
11:DIGITAL :

2010/07/28 (Wed) 01:09:08

大乱闘スマッシュブラザーズ
それもXではなくDX
やはり、小学生のころだったかもしれない
発売から5年以上が経過し、もはや普通の対戦では物足りなくなっていた
全員同じキャラを使う、全員ランダムで統一する、アイテム以外で攻撃してはいけない
さまざまなルールで遊んだ
その日は全員同じキャラにしようということになった
その日の統一キャラは・・・プリン
当然、あの甘いお菓子ではない
ポケモンの一種だ
みんな、キャラの色なんて気にしなかった
だが一人だけ恐ろしいほどの執着を見せた者がいた
決まっている、ボリだ
全員のキャラが決定した瞬間に誰かがスタートを押した
そして、大乱闘が始まった
いや、ただの蹂躙だったな
僕が覚えているのは目の前に広がる惨劇とある音

――で――ぷり――は―び――――――んだ
なんで―のプリ――ハ―ビス――じゃ――んだ
なんで俺のプリンがハイビスカスじゃないんだぁ!!!

響き渡る悲鳴と、それをかき消す音量のボリの雄叫び
景色が赤く染まり、そして闇に覆いつくされた
僕の意識は、そこで途絶えた
12:DIGITAL :

2010/07/29 (Thu) 15:50:24

目が覚めたとき、全てが元通りになっていた
ただひとつ違うのは僕以外に唯一起きていた少年の目だ
今までの少年らしい輝きは失われどこまでも深い闇のような目になっていた
あの惨劇が本当に起こったのか、僕には確かめようが無いあの時、僕以外は気絶していたし、起きたのも僕が最初…
また彼に聞いても言葉を濁すばかりだ
その真相は文字通り「闇」に包まれた
だが、ひとつ確かなことがある

そこから、彼は変わった
13:DIGITAL :

2010/08/04 (Wed) 21:36:17

これは僕や彼が中学二年のときの話
彼がすでに邪道だったときの話
僕は、彼のテーマソングを作った
「残酷な邪道のテーゼ」
知る人ぞ知る伝説の名曲だ
僕がこの曲を作ったとき一度地獄を見た
あれはテニス部の活動中
不意に歌詞を思いついた僕はその曲を歌い始めた
その数瞬後、僕の後頭部に衝撃が走った
気付くと僕は地面にうずくまっていた
どうやら背後からラケットで殴られたようだ
そのままうずくまっていると
「おい、立てよ」
彼がうしろから僕の額をつかんで持ち上げてきた
そのとき、僕の額には三本の引っ掻き傷ができた
さながら、ジュラシックパーク3のようだ
彼は頭部に走る二種類の痛みに悶絶する僕を笑いながら眺めていた
14:DIGITAL :

2010/08/05 (Thu) 21:44:14

他にも、まだ彼の物語はある
いま紹介したのは彼の人生のほんの一握りにも満たない
しかしここですべてを語ることはできない
それは、ここで語ると僕が消されるからという理由ではない
そんなものはこの小説を引き継いだ時点で覚悟している
しかし、ここで彼のすべては語れない
長すぎるのだ
いや、永いと書いたほうがいいのかもしれない
それほどの時間を彼は生きてきた
生きて、そして殺してきた
これで過去編は終了だ
しかし、過去と歴史は似て非なるもの
もしも、僕にまだ命があったなら次は歴史となった過去を語ろう
15:DIGITAL :

2010/08/06 (Fri) 20:59:32

過去編終了

次はデブタルが第二部を書いたら書くよ

  • 名前: E-mail(省略可):
  • 画像:

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.